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二地域居住ってこんなにおもしろい!福島と東京を行き来する伊藤さんに聞いてみた!【移住者インタビュー】

みなさんこんにちは。福島市移住公式noteです。

働き方や暮らし方が多様化する今、定住ではない地方居住のかたちを選択する人も増えています。

今回は、東京と福島で二地域居住をされている伊藤さんにお話を伺いました。

【移住者プロフィール】伊藤さん
神奈川県横浜市ご出身の伊藤さんは、2024年4月から東京と福島の二拠点で新しい生活を始めることに。福島では農業を、東京では接客業をしながら日々の生活を楽しんでいる。


■二地域居住を始めるまで

ー 移住をしようと思ったきっかけはなんでしたか?

主人が亡くなって途方に暮れていた時に、「何かしよう」って思ったのが最初です。正直、気力はそこまでなかったけれど、「福島なら行ってみようかな」ってなぜか思ったんですよね。

父が福島出身で、もともと福島にゆかりがあったのもあるかもしれないけれど、その時そう思い立ったのは何か縁があったのかなって思います。

私の出身は横浜なんですが、横浜と言っても田んぼがたくさんある田舎の方で、もともとそういう素朴なところが好きなんです。主人と「仕事をリタイアした後は地方に行って、家庭菜園みたいなことをしながら暮らしたいね」と話していたこともあります。

2023年10月ごろ、東京で行われている「ふくしまくらし&しごとフェア」や「福島市出張移住相談会」に行って、移住コーディネーターの方に相談しながら、福島市で暮らす具体的なイメージを掴めるよう移住への準備を進めました。

ー 二拠点居住を決めてから、周りの反応はどうでしたか?

母と姉に移住をすることを伝えたら、「大賛成!」って感じでした。

福島には祖父母のお墓があるので、お墓参りを兼ねて毎年家族旅行で来ていました。それもあって母も姉も私も、福島のことが大好きなんです。

1人でこんなに思い切ったことをして、母親には反対されるかなと思いましたが、全然そんなことなかったですね。笑

■充実の二地域居住

ー どのようなスパンで二つの地域を移動していますか?

時期にもよりますが、だいたい10日間を福島で過ごしたら東京に行って、しばらくしたらまた福島に来て、という感じです。東京の家を開けすぎるのも心配なので、連続で福島にいるのは最大10日くらいかな。

朝起きた時に、今いる場所が東京なのか福島なのかわからなくなる時がたまにあります。笑 でもこの生活は全く飽きることがないですね。

ー 福島ではどのような生活をされていますか?

福島では農家さんのお手伝いをしています。今お手伝いしているぶどう畑ではネパール人の方がたくさん働いていて、畑にはネパール語が飛び交っているんです。笑 お昼にはネパール料理をふるまってくれることも。農作業自体も楽しいですし、そういった人との出会いも楽しいです。農作業って淡々としているけど、同じ作業は無いなって思っているんです。ぶどうの摘粒をしていても、一つ一つ育ち方が違うので「これは難しいな」とか「これは楽だったな」とか毎回違うんですよ。もう本当に好きなんでしょうね。

ぶどう畑の様子

でも、実を言うと、東京の勤務先と比べて福島での農作業は時給が半分なんです。東京にいる友達は、「そんな時給でよくやるね」って言うけど、私はお金じゃないと思っています。福島でしかできない仕事をしたい

夏に太陽の下で帽子をかぶって作業をする福島の仕事と、人が多いところで揉まれながら働く東京の仕事、そのギャップが好きなのかもしれません。

ー 福島はシャイな人が多い気がしますが、実際に来てみて人の印象は?

シャイな方が多い印象はありますね。最初こちらに来た時、あまりの素っ気なさに「嫌われているのかも」と思いました。 同じ人間なのに、東京から来たというだけで、少し距離を感じたのを覚えています。笑

でも、二つの地域を行き来していることで、そういう地域差を見られるのは私にとって楽しいんです。

福島の方ともっと仲良くなりたいです!

ー 東京ではどのような生活をされていますか?

東京では主に居酒屋で働いていて、百貨店の催事場でイベントがある時にはそちらでも働いています。居酒屋では、私が二地域居住をしてるってことを伝えた上で雇ってもらっていて、店主の方もこの生活を理解してくださってるんです。

お店で使う食材として、私が福島の果物を持っていくこともあります。桃とか、シャインマスカットとか。東京に行く際についでに持って行けば送料がかからないので、風呂敷に包んで持っていったりしてます。笑

福島のものを東京に伝えたいっていう思いもあるし、私がいることによって、地方のものを安く新鮮に手に入れられれば、お店の助けになるんじゃないかっていう思いもあります。最近はシャインマスカットの白和えがメニューになっていて、桃の時期は桃サワーを出したりもしました。お客さんにもけっこう喜んでもらえます。持っていった果物を通じてお客さんと盛り上がれることもあって、そういう人との関わりがすごく楽しいです。

桃の季節になるといろんな人に桃を送るんですが、「福島は桃がおいしいね」って言ってもらえます。二地域居住をしていると、福島の魅力が少しでも外に宣伝できているんじゃないかなって思える瞬間がたくさんあります。

ー 福島でのお住まいはどうですか

今はアパートに住んでいるんですが、とにかく最高です!

夕暮れの風景を思わずパシャリ

窓から見える景色には田んぼが広がっていて、特に春夏は緑の景色がとってもきれい。吾妻山と田んぼが見えて、こんなに福島らしい景色はないなぁと思います。家の前にシラサギが飛んでくることも。

バーカウンターみたいなテーブルを買ってきて、そういう景色を見ながら朝ごはんを食べたりしていると、もう「最高だな」って思います。

今住んでいる家の周りはとっても静かで、自然に吸い込まれるんじゃないかと思うほど。たまにその静けさが怖くなる時もあるけれど、ここでしか味わえない静かさが楽しいって思います。

今の家は、私にとって理想の田舎暮らしの景色なんです。

ー 冬の福島市に対する不安はありますか?

不安はないんです。むしろ楽しみですね。
この生活を始める前に、移住コーディネーターの方からも冬は寒いですよって教えてもらってはいたんです。戸建てに住むことが理想でしたが、寒さが苦手ということでアパートにしました。冬は農作業がなければ部屋にこもって、雪景色を見ながら裁縫でもしようかなと、考え中です。

■福島と東京の移動について

ー 福島は遠くなかったですか?

車で福島に行った時は、思っていた以上に遠く感じました。高速道路を使っているのになかなか着かない。でもその遠さに「もう一つの世界」を感じて、そこが良さでもあるなって思うんです。

ー 福島⇄東京の交通費は高くないですか?

最初は新幹線を使っていたんですが、高速バスに変えてだいぶ節約できています。高速バスは、何回も乗っているとランクが上がって割安で乗れるようになるんです。私は乗る頻度が高いので、あっという間にゴールド会員になって。このあいだは1,900円で来ました。笑 工夫すれば、安く移動できる方法はいくらでもあると思います。

バス移動になると5時間弱と長い時間がかかりますが、その時間でじっくり考え事をするのが結構好きなんです。先日、やむを得ず新幹線に乗った日があったんですが、早く着きすぎてなんだか後悔しました。笑

ー 福島にいる時の交通手段は?

家から歩いて25分くらいのところにある格安のレンタカーを借りています。借りに行くときも田んぼの畦道を通ったりして、その道のりを楽しんでいます。1日1,650円という安さで、だいぶ年季の入った車なんですけど、私にはちょうど良いんです。

■伊藤さんのこれから

ー 今後やりたいことはありますか?

私がこんなに福島が好きだっていう気持ちを、何かに反映できればいいなっていうのは思います。

私はあまり感じたことがないんですけど、福島はいまだに少し風評被害のようなものもあるって聞くので、長い目で見たらそういうのも払拭できるような、お手伝いのようなことがしたいです。福島が好きだっていう人が増えてくれたら私もうれしいし、私自身ももっと福島を好きになっていくだろうなって思います。

せっかく二つの地域を行き来しているから、福島と東京をつなげるようなことを、もっとできないかなぁと考えているところです。

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以上、伊藤さんへのインタビューでした。
伊藤さん、ありがとうございました!

福島市では移住・定住ガイドブックをWEB上でも公開しています。
今回インタビューさせていただいた伊藤さんも、ガイドブック内で紹介しています。二拠点生活に至るまでの過程をすごろく風に掲載していますので、ぜひご覧ください。
P13‐14 体験と交流のページでご紹介しています】


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