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転機はふるさとで。可能性を広げられる町

2022年 神奈川県より移住
渡邊 浩志さん
Uターン / 手造り靴工房 Nabe オーナー

高校卒業後に地元福島市を離れ、東奔西走しながらも、靴職人としての技術を磨いてきた渡邊さん。その熱意は靴の専門学校卒業後にイタリアのフィレンツェへ修行に行くほど。
帰国後は靴メーカーで働きながら、「手作り靴工房 巻田庄蔵」にて改めて靴の製作を学んだ後、アシスタントとしてお店の運営にも携わるようになりました。
その後、鎌倉市に念願のオリジナルブランド「Nabe」をオープンしたり、工房を継いだり、母校の臨時講師を務めるなど、たくさんの経験を積み、25年ぶりに福島市に戻ってきました。

福島市に拠点を移し新たなスタートを切った心境や、気になる今後の活動をお伺いしました。

イタリア修行での貴重な経験を通じて

神奈川県の葉山町に住み、都内で活動するという、自宅と職場の往復生活の慌ただしい毎日の中で、「いずれは地元に帰ろう」という思いが、いつしか胸の中に芽生えていたという渡邊さん。
それが実現するタイミングは、コロナの影響もあり、予定よりも早く訪れました。

渡邊さんの作品

「高校生の頃からファッションが好きで、当時はデザイナーを志望していたんです。」
インターネットが現在のように普及しておらず、情報が少なかった時代に、なかなかお気に入りのものが見つからないなら自分でデザインしたい、自分で作ってしまおう!と考えたのが、この道を志すきっかけでした。
デザイナーよりも靴の製作に携わりたいと具体的に気持ちが大きく傾いたのは、イタリア修行で、現地の職人さんの働く姿勢を肌で感じた影響が大きかったと当時を振り返ります。

「修行にあたって、特にイタリア語の勉強はしませんでしたね。現地の語学学校には通いますし、行けば何とかなるだろうと。でも案の定、言葉の壁にぶち当たったこともありました。
まず、最初の1ヶ月間お世話になる予定のホームステイ先に、初日から良くしていただいたのもあって、滞在3日目くらいに、つたないイタリアで「ずっとここにいたい!」と伝えたんです。理解してもらえたと信じ、その後も仲良く生活させてもらっていたのですが、一ヶ月後に「今までありがとうね!」と言われてしまいまして。。。結局伝わっていませんでした。その後は。。1週間ほど家なき子になりましたね(笑)」

様々なピンチも、持ち前の明るさとコミュニケーション力、そして行動力で乗り越えてきました。

これからも大切にしていきたい「縁」

長い間、葉山町に暮らしていましたが、数年前までご近所にはほとんど知り合いはいなかったのだといいます。
「コロナ禍で活動拠点を自宅に移し、町のイベントに参加することで、ここ1,2年で葉山のお友達が一気に増えたんです。せっかくのご縁なので、これからも変わらず葉山町のイベントには参加していければなって。どっちみち、材料や道具の調達で東京に行く機会もあるので、そのタイミングで顔を見せることができればいいなと。」
これからも、葉山町の仲間に会えることを楽しみのひとつとして、活動を続けていきたいと話します。
「葉山ではお友達が70歳過ぎのおじいさんばかりで、一緒に畑仕事をしたりお酒を飲んだりしてのんびりしていたので、意外と、福島でも同じスタイルで生活していますね。
地元の福島に移住した報告をしてからも、みんな実感がないのか、「(自分が所持する)空き家に住んじゃえば?」とか「いつ帰ってくるの?」とかいまだに言われます(笑)」
地元の家族や知り合いの方が、逆に「本当に帰ってくるの?」と半信半疑で反応も薄めだったのだとか。
「実家の近くは、田んぼだったところに家が建ち並んだりと時代の流れを感じます。でも、ご近所の方々は昔から変わらないので、話しかけてもらえると安心感がありますね。」

築140年のマイホームについてきたもの

移住にあたり、空き家バンクから築140年の空き家をマイホーム兼アトリエとして購入した渡邊さん。
他にも探してはみたものの、最初に気になったこの物件が忘れられなかったのだといいます。
「家と一緒に山や田畑もついてくる物件だったので気に入っています。移住前は海が近かったので塩害で機械が錆びてしまうことがありましたが、これからはその心配もないなと。
これから移住する庭師の妻も、念願叶って山を手に入れることが出来てうれしそうです。
まだまだリフォームしないと生活はできませんが、自分でも楽しみながら作っていければと思います。」
イタリア修行時代の仲間で、現在宇都宮でピザ屋さんをしているご友人からの引っ越し祝いで、ピザ窯を贈ってもらえる予定があったりと、リフォームに夢や希望も広がります。

休日の過ごし方

休日の過ごし方をお伺いしました。
「昔からオンオフの区別が得意ではないので、ずっとオンのようなオフのような、という部分は正直あります。
父が経営する燻製屋の手伝いをしたり、友人のお店に顔を出したりと、なんだかんだで動き回ることが多いですね。
年に数回ワークショップイベントのため帰省はしていましたが、移住してからは、ちゃんと福島を満喫出来ているかな。当時は忙しくて休む暇はなかったので。
今は、おすすめされた評判のお店に食べに行ったりする余裕もありますし、ゆっくり出来ています。
そして一番は、早く家のリフォームを完成させて、落ち着きたいですね。」

今後の目標

今後の目標についてお伺いしました。
「市内で開催されるイベントにもワークショップなどで積極的に出店していきたいと思っています。
でも人に合わせるのがあまり得意ではないので、自分でイベントを立ち上げられたら良いなと。今後は福島でも、たくさんのつながりが出来そうで楽しみです。

あとは、自給自足は難しいかもしれませんが、米や野菜なんかは、ある程度自分たちで作っていければ理想的ですね。
そしてワイン作りもしてみたくて。そのためには早くブドウを植えたいな。」
おいしいワインが出来たら、将来的に仕事にもつなげることが出来たらと意気込みます。

移住を考えている方へメッセージ

「自分が福島出身なのでひいき目もあるかもしれませんが、福島の人たちは本当にいい人ばかりだと思うので、安心して移住してみたら良いんじゃないかと思います。周りもなにかしらお手伝いをしてくれるのではないかと。
僕も、教える仕事が長かったせいもありますが、お世話をするのが嫌いではないので、移住したい人がいるのであればお手伝い出来たらと思います。」

福島市では「移住ワンストップ相談窓口」を開設していて、移住のことなら何でも相談を行っています。
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