移住先が「プロパンガス」の可能性もあり？都市ガスとの違いって？
移住を具体的に考えたとき、気になるのは、今の生活とどう変わるのか、ということではないでしょうか。特にインフラ部分は気になりますよね。
ということで今日は「ガス」のお話です。私達が普段家庭で使っているガスには「都市ガス」と「プロパンガス（LPガス）」の2種類があります。福島は圧倒的にプロパンガス家庭が多く、実に県の73%（2019年経済産業省調べ）を占めています。
移住を考える上で、これまで都市ガスを利用していた方にとっては、「プロパンガスって？」「危なくないの？」「料金が高いって聞くけど？」と、気になる点もあるかと思います。
実はプロパンガスは、災害に強く、東日本大震災でもいち早く炎を届けられ“エネルギー供給「最後の砦」”として、改めて注目を集めているエネルギーでもあるんですよ。
今回は、プロパンガスと都市ガスとの違いと共に、大震災で感じた魅力をご紹介します。
プロパンガスと都市ガスの大きな違い
プロパンガス（LPガス）と都市ガスの大きな違いは、都市ガスが家にパイプを通じて届けられる燃料であるのに対し、プロパンガスは大きなタンクやボンベに入って届けられる燃料という点です。
成分も異なり、プロパンガスがプロパンとブタンという成分でできているのに対し、都市ガスは主にメタンという成分でできています。
プロパンガスは高い？
プロパンガスと都市ガスの光熱費は、一般的には都市ガスの方が安いと言われています。
プロパンガスはタンクやボンベが空になったら交換する手間がかかりますが、都市ガスはパイプを通じて大量供給ができるのでコストを抑えられますし、エネルギー効率が高い為、同じ量の燃料を使っても都市ガスの方が長く使えることも理由の1つだそうです。
福島にプロパンガスが多い理由
福島市は配管網が整備され都市ガスの地域もありますが、県の73%はプロパンガス家庭（2019年経済産業省調べ）という。「プロパンガスが普通」の環境です。でもこれは地方では珍しいことではなく、都市ガスはパイプを通じて届けられるので、使用するには配管網が整備されていることが条件になります。配管網は国土面積の7％しかなく、47都道府県のうち32の道県ではプロパンガス使用世帯数が都市ガス使用世帯数を上回っているのです。（2019年経済産業省調べ）
大震災で実感したプロパンガス最大の魅力
ここまで読むと「都市ガスが良い」と感じた方がほとんどかと思いますが、実はプロパンガスには大きなメリットがあります。
それは「災害に強い」点です。
実際に、東日本大震災で大きな被害を受けた福島、岩手、宮城県では、地震発生から約3週間程度で大方の復旧が完了し、都市ガスや電力よりも早い時期に全面復旧を果たしています。
また、災害でタンクやボンベからガスが漏れる危険性を懸念する方もいますが、ガスメーターが異常を自動的に感知し、自動的にガスが遮断されるようになっているので、二次災害も起こりにくいとされています。
実際に福島で大震災を経験した方からは
プロパンガス家庭です。電気は止まっていましたが、ガスはすぐ復旧したので、湯を沸かすことができました。寒い日でしたが、備蓄品を湯煎し温めて食べることができ、本当に有り難かったです。
オール電化に憧れていましたが、プロパンガスに対するイメージが大きく変わりました。ガスがすぐに使えたおかげで、困っている友人家族にお風呂を貸すこともでき、困っている人の役にも立てました。
都市ガス家庭で復旧まで時間がかかり、何日もお風呂に入れず。プロパンガスの家庭にお風呂を借りに行っていました。本当に助かりました。
という感想もありましたよ。まさに“エネルギー供給「最後の砦」”ですね！
都市ガスは地下を通るパイプからガスを供給しているで、災害でパイプに何らかのトラブルが発生した場合は、どうしてもその地域全体でガスの供給がストップしてしまいます。また確認・復旧作業にも時間がかかります。
その点プロパンガスは、各家庭や物件ごとにタンクやボンベが設置されているので、トラブルが発生し一時的に供給はストップしたとしても、確認・復旧までが都市ガスに比べ早いのです。
いかがでしたか？
移住を検討したり新しい環境で生活したりするのは、ワクワクがある一方、不安もつきものですよね。
福島市では「移住ワンストップ相談窓口」を開設していて、移住のことなら何でも相談を行っています。
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【参考文献】